借金地獄って今でもあるの?金融分野に関する現状をご紹介!
借金を嫌う日本人は多いと言います。これは貯蓄好きの国民柄も関係していると言われますが、一昔前に社会問題にまでなったある言葉も無関係ではないでしょう。いわく、「借金地獄」というものです。ご年配の方になると、当時の生々しい問題を思い出して、思わず渋い顔になってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
時計の針を少し戻してみて、当時の問題を振り返ってみましょう。当時はまだ現在ほど貸金業者の法整備が整っておらず、業者側に有利な制度になっており、金利収入によってボロ儲けできるような状況にあったのです。ある時期、長者番付のランキングのほとんどをサラ金業者の社長や会長が占めたことからも、その儲けっぷりがわかります。
これらの業者がボロ儲けできたということは、彼らを儲けさせるほどの出費を強いられた方達がいたということですね。そう、彼らの業者から借入していた利用者は、非常に高い金利によって借入するしか道がなく、どんどん膨らんでいく金利の支払いに追われ、最悪の場合は借金を返すために別の業者から借金をするという状況に追い込まれる方も出てきたのです。
そのような利用者が相次いだことから、高利貸しを利用して多重債務に追い込まれる状況を指し、「借金地獄」などという言葉がささやかれることになったのです。現在の感覚で言えば、「そんなの利用した人の自己責任じゃないの?」と言いたくなる気持ちもあるかもしれませんが、一時期、サラ金業者達はテレビでCMを流してもらえなくなるまでに社会からの支持を失ってもいたのです。それくらい、これは高利貸しという制度そのものにも問題があったと言えます。
というような時代があったのです。その結果、もちろん対策が取られました。法整備もされ、貸金業者が従わなくてはならないガイドラインも制定されました。その成果か、以前ほど借金地獄という言葉もささやかれなくなりました。貸金業者達も以前ほどの大儲けはできなくなり、当時に比べればナリを潜めた感もあります。消費者金融のCMも現在では普通にテレビで流されてもいますよね?社会からの支持も、多少は回復しているのです。
これらの事実から多少察せられるかもしれませんが、借金地獄と揶揄される状況は、現在でもあるのかというと、やはり以前に比べればホットな問題ではなくなっている部分もあるでしょう。
しかし借金地獄に陥る方がいなくなったわけではありません。それは消費者金融というものがある以上、それらのサービスの使い方次第によっては、現在でも陥る可能性のあるものです。事実、現在でも借金地獄に陥り、破産に追い込まれる方はたくさんいらっしゃいます。
借金地獄という言葉がホットであった当時に比べれば多少落ち着いた感もありますが、それは現在にそういう要素がなくなったからではなく、当時の社会でそれだけ激しい問題になっていたからこそ、比較すれば落ち着いているように見えるという部分もあります。あまり借金地獄という言葉を聞かなくなったからといって油断してはいけません。自分の借入の使い方次第、そして利用する業者次第によっては、今でも十分に借金地獄に陥る可能性があるということは十分に認識しておいてください。